28)6月10日 Dia de Portugal
28)
6月10日はポルトガルの日。
ナショナルデーです。
ポルトガル人にとって大切な祝日です。
ポルトガルはご存知のように、ヨーロッパ大陸の端っこにしがみついているような国です。
隣には強〜〜いスペインが!
うーーんこのシチュエーションって、、、
通勤ラッシュ時の駅のホームの端っこで落ちそうになって必死で踏ん張っているような感じですか。
隙あらば陣地を広げようとちょっかいを出し続けるスペインからのプレッシャー、、。
常に脅威を感じながら、海を越えて外へと自分のテリトリーを広げていったポルトガル。
そのスペインに取られてしまった一部の国土をエンリケ王子という人が取り戻した日がこの6月10日といわれています。
エンリケ航海王子はポルトガルの海外進出を促進し、サグレス航海学校を創設した人物でもあります。
そのため別名「エンリケ航海王子」とも呼ばれています。
このエンリケ王子についてはまた別の機会にふれようと思いますが、大航海時代を象徴する人物です。
ファドの歌詞にもたくさん出てくる言葉。
『海』
『発見』
本当にポルトガル人はこのイメージが好きです!
命を顧みず、大海原に漕ぎ出して未知との遭遇をするというロマンチックなイメージが大好きなんです。
リスボンの観光名所「発見のモニュメント」もまさにそうです。
先頭にエンリケ王子が未知の世界に目をこらすようにして勇ましく立っているこのモニュメントは海から見ると完全に海方向に向かって、今まさに漕ぎ出そうとしている船の形なのです。
ガイドブックにも書いてありませんし、観光客は陸側から見るだけですのでこの事はあまり知られていません。
是非、川から眺めて下さい。
英語ガイド付きのクルーズは毎日コルメシオ広場付近またはカイス ド ソドレ駅付近等の船乗り場からでています。
こちらがクルーズのサイトです。
日本語ガイドは有りませんが、英語のガイドは有ります。
旅行会社から申し込むより自分で直接買った方が10ユーロほど安いようです。
Cruzeiros Tejo - Lisbon River Cruises
そんな国民の日6月10日
海軍のパレードが有ったり、有名歌手が愛国の歌を熱唱したり、リスボンの町は大盛り上がりですが、もう一つ意味のある祝日なのです。
それはポルトガル文学史上最も偉大だと言われている詩人ルイス・デ・カモンイスという人物が没した日でもあるのです。
カモンイス、、、、どこかで聞き覚えありませんか?
そうです。
リスボンで私たちが滞在したアパートのすぐ側の広場が「カモンイス広場」です。
広場の真ん中にはカモンイスさんの立派な像が有りました。
彼は16世紀、まさに大航海時代を生きた人物でもあり、実際にアフリカ、インド、マカオ等の航海などに参加しています。
そんな中で生まれた叙事詩『ウズ・ルジアダスOs Lusiadas』が最も有名な作品で、大航海時代のポルトガルの海外進出と栄光を雄大な作風で描いています。
ユーラシア大陸最西端のロカ岬の碑文には「ここに地終わり海始まる(Onde a terra acaba e o mar começa)」というこの作品からとった言葉が刻まれています。
ほらね!
ポルトガル人は本当にこの大航海と海のイメージが大好きなんです。
私もこのイメージの歌詞のFADOを歌う時は、これらの歴史を心に想いながらポルトガルの人同様にロマンチックな気持ちで歌っています。
私がライブでも必ず歌う歌、「カモメ」の歌詞もこの海と発見のイメージに満ちています。
歌詞の一部をご紹介しますね。
もし一羽のカモメが来て
私にリスボンの空を運んでくれたら、、、
私の見る翼は折れて海に落ちてしまったの
完全な心
私の心臓の鼓動
愛しいあなたの手の中に
もしポルトガルの海の男が
7つの海で最初に見つけたものを
私に話すなら
新しい眼差しが私の眼差しと結びつき
完全な心
私の心臓の鼓動
愛するあなたの手の中に
、、、、
いかがですか?
とてもロマンチックな詩ですよね。
この歌を歌う時は私もすっかり大航海時代のポルトガルの女になっています。
次のライブでは新しいアレンジでこの曲を演奏してみようと思ってリハーサルも重ねています。
お楽しみに♪
最後にドルス ポンテスさんが熱唱する「O Amor Portgual 」をご紹介します。
愛国的なポルトガルの人々の気持ちが伝わってくる作品です。