『FADOの有る生活 A vida com Fado』  ポルトガル音楽ファドを愛する私のブログ Eu sou uma cantora japonesa cantar fado.      Fado修行の日々や地中海地方の文化についても綴っていきます

ポルトガルの #FADO(ファド)を歌う渡辺エマのブログです。FADOやポルトガルについて紹介します。ポルトガルには他にもワインや料理、世界遺産等魅力が一杯!サッカーのロナウドの故郷でも有ります。

59)ルゾフォナ大学 その2 Univercidade Lusófona 2

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59)Estudei Português na universidade e eu tenho um grande amiga.

ルゾフォナ大学語学研修の続きです。
カンポグランデ駅から迷いつつやっと辿り着いた大学。
校内に入ります。

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念のために早めにアパートを出ていたので指定された時間より20分程早く着きましたが、もう大学の校門は開いていました。
守衛さんに教えて貰ったカフェテリアで時間をつぶしてから、メールで事前に指示を貰っていた場所に行くと先生が待っていてくれました。
黒いウェーブの長い髪の素敵な先生です。


カフェテリアの入り口
朝から焼きたてのナタも食べられます。

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先生の後について先生の部屋(いかにも大学の先生の部屋という感じで、本や資料がうずたかく積み重なっていました)に行き椅子を勧められ、これから使用する教科書一式を貰いました。

 

テキストにはノート用の白い紙の束とすごく書きやすいペンまでついていました。

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私も日本から持参したお土産をお渡しして、これからお世話になる挨拶をしました。
そして先生からどんな言葉がどのぐらい話せるのか聞かれ、パスポートを見せるように言われました。
私はイタリア語と英語が少し解る事、ポルトガル語はイタリア語とごちゃ混ぜになって勉強するのに非常に苦しんでいる事を説明し、先生にパスポートを渡すと先生はコピーを取りに部屋を出て行きました。
待っている間に筆記用具を準備してテキストを眺めていると先生が戻って来て、部屋を移動するから荷物を全部まとめるようにおっしゃいました。
おや、この部屋で勉強するんじゃないのか〜と思いながら先生の後についていくと、ある教室に着きました。

コンコン
ドアをノックする先生。



すると部屋の中に女性が一人。
先生はその女性に向かって私を紹介し始めました。
「この人が日本から来たエマさんです。イタリア語と英語が少し出来るみたいです」

それだけ言うと部屋を出て行く先生、、、、。

いや、先生じゃなかったんだ!
先生は、今私の目の前にいるこの人!

私は迂闊にも、事務の女性にお土産を渡してしまったんです。
わざわざ渋谷迄買いに行った美しい日本の漆塗りの器を、、、、。

そんな訳で私は改めて目の前に居る女性に挨拶をしましたが、心の中ではせっかく持って来たお土産の事で激しく動揺していました。

そしてその本物の先生にはお土産も渡さずに始まった授業ですが、、、「うううこういう事はもう知ってるよなあ」というポルトガル語の本当の初歩の初歩から始まりました。
先生はアルカンジェラさん。さっきの事務の人よりは少し年上のようですが、気さくで明るい人です。
ポルトガル語を英語で全部説明して下さいます。

つまり
ポルトガル語を勉強しようと思っていた私が、いつのまにか先生の話す英語を聞き取るのに必死になっていました。
OH!
この日はお土産事件から必死の英会話(!)まで、本当にぐったり疲れてアパートに帰ったのは言う迄もありません。
帰ってから宿題を片付けてファドを聞きに行く気力も出ずに早々に寝てしまいました。

翌朝もまた暗いうちから起きてカテドラルの横を下り、駅に向かいます。
昨日先生にお土産を渡せなかったので、ギタリストのティアゴ君に渡すつもりで持って来た日本酒を先生へのお土産にしようと持って来ました。

またしても少し早く着いたのでカフェテリアに直行。

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コーヒー(ポルトガルのコーヒーはイタリアのエスプレッソと同じ、デミタスカップにちょこっとしか入っていません。)を飲んでいたら、昨日間違えてお土産を渡した事務の人が入って来ました。
そして私を見つけると急いでこちらに近づいて来て私の両手をとりぎゅっと握って、「ボンディア!」と丁寧に挨拶されました。
きっとお土産を気に入ってくれたのでしょう。
「はあ〜〜」自分の失敗をまた思い出し溜息が出ます。

 

そして二日目の授業、
テキストと練習問題、そして先生がパソコンからプロジェクターを使ってホワイトボードに要点をまとめてみせてくれます。
それら全部が、私一人の為に行なってくださっている事ですから贅沢ですよね。
また、英語からポルトガル語を教わることについては
初日は英語を聞き取るのに必死でしたが、二日目になって余裕が出てくると、日本語からポルトガル語を考えるより、英語からポルトガル語を考える方が近くて早いという事がわかりました。

「ボタン」「カルタ」のようにポルトガル語と日本語には共通点がありますが、やはり英語とポルトガル語の方が同じ文字を使う言語ですし、音が近くて理解し易いのです。

例えば日本語で「同情」という意味の英語「sympathy シンパシー」は、ポルトガル語で「simpatia シンパティーア」。
英語の「シンパシー」を知っていればすぐに「あ、あの言葉だな」とわかります。
このように近い言葉が多い分、理解はし易いようです。

また、アルカンジェラ先生はとてもざっくばらんでお茶目で面白い人。
運動が嫌いでインドア派だという話から意気投合し、「高いお金を払ってわざわざジムで身体を鍛えまくっている人の気が知れない」という話でおおいにシンパシーを感じ仲良くなりました。
(運動好きさんごめんなさい!笑)

そしてその日からアルカンジェラさんは帰り道にバスを使うのをやめてわざわざ私に付き合ってメトロに乗ってくれるなど、まるで日本人の女の子同士のように一緒に仲良く帰るようになりました。
メトロでのお喋り、女子校生に戻ったみたいで本当に楽しかったなあ!

カンポグランデ駅の改札
緑ラインと黄ラインが乗り入れてます。

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こうしてたったの1週間ですが、大学での語学研修は良い先生に巡り会ってとても濃いものになりました。
勉強の内容はやはり1週間では初歩の初歩の域から出ませんでしたが、仲良くなった人と毎日午前中の3時間近くをあれこれお喋りして過ごすというのはとても勉強になりました。
アルカンジェラさんが普段家族とどのようにどんな食事をしているかとか、それは誰が作るかとか、趣味の旅行の話とか、、勉強以外の事もたっぷり話せました。
また、私のファドのCDをとても気に入って下さって、毎日車で大音量で聞いてくれていたそうで、嬉しかったです。

そして最後の授業の日、アルカンジェラさんが私にプレゼントをくれました!

 

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私も歌っている「Gaivota かもめ」という曲の詩を書いたアレッシャンドレ オニールの詩集。
そういえば、私のCDを彼女にプレゼントした時に曲の一覧をみて「「かもめ」の詩はとても美しいのよ」と言っていた彼女。
わたしにこの本をプレゼントしたくて本屋さんを3軒も回って探したんだそうです。

もう!今思い出しただけでも泣きそうになります。

毎日夜中迄ファドを聞きに行ったりしながら、朝は暗いうちに起きての電車通学は楽ではありませんでしたが、一生の友を得たかけがえのない一週間でした。

ありがとうございます!

Obrigada

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