62) Summer in Portugal 1 ポルトガルの夏 1
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2016年、この夏のリスボンにはとても多くの観光客が押し寄せていました。
夏といえばどこの国でも楽しいイベントがつきものですが、ポルトガルでも各地でイベントが開催されて地元の家族連れや若者グループ、観光客などで盛り上がっています。
私もそのイベントの一部に参加させていただき、カーサデファドで歌う時とはまた違った環境でのファドの経験を多くさせていただきました。
「ファドフェスティバル」
リスボン郊外北部に位置する、リバテージョという地方を御存知でしょうか?
牧畜や米作り、そしてワインの生産も多く行なっている牧歌的な地域です。
そのリバテージョのSamora Correiaという町の広場では毎年一回夏に「ファドフェスティバル」が開かれます。
町の中心の教会を囲む広場にステージが作られ、客席の脇には町の人々が運営するレストランのテントが並びます。
サマータイムのポルトガルは夜の訪れも遅く、9時を過ぎてやっと暗くなりますので、ファドフェスティバルの演奏開始も10時からと、日本では考えられない遅さです。
私達( 私とエージェントのスタッフ二人)、は5時頃には会場入りしてリハーサルを行ないました。
丁度我々が着いた時には町の教会では結婚式も行なわれていて、着飾った人々でそれはそれは美しい光景でした。
町にやっと夕闇が訪れるといよいよファドの始まりです。
本日の出演者は全部で7人。
ファディスタ4人とギタリスタ3人です。
広場の一角に設けられたステージには3人のギタリストが並び、そのステージと向かい合うようにして建っている市民会館のバルコニーがファディスタの舞台です。
ロミオとジュリエットの舞台に出てくるあのバルコニーと同じような中世の装飾の施されたバルコニーです。
そこに一人ずつファディスタがが出て来て歌うのです。
それはもう夢のような美しい舞台環境でした!
この日のファディスタを紹介しますと、
まずは Dora Maria Maria さん。
とても綺麗な大きな目をした女性歌手です。
彼女とはもう何回か会ったことがあったのですが、いつも素敵なかっこいい旦那様と一緒で、ご夫婦がとても仲良しなのは知っていたのですが、この日は二人のお子さんも連れて来ていました。
そのお子さんがなんと、ポルトガルの地方の小さな町の広場でポケモンゴーをやっているのには驚きました!
またCasimira Alvesさんというファディスタの方は初対面でしたがすごく力強い、良い歌い手さんでした。
力強い歌声の一方で、人柄はとても親しみやすく、謙虚な方だったのが印象的でした。
その他に男性ファディスタが2人、João Choraさんと Francisco Sobral です。
どちらも大ベテラン!
渋い歌声を聴かせてくださいました。
私は特別ゲストということで、2曲のファドを歌わせていただきました。
夏の夜の広場にはいつの間にかぎっしりとお客様がつめかけ、夜空には明るく美しい月が、、、。
私の出番はなんと、ちょうど広場に面する教会の時計が12時を指したときでした。
シンデレラの魔法が解けたみたいに私の魔法もとけたらどうしよう〜〜。
などと思いながらドキドキしてステージに上がりました。
歌い終わってみれば、お客様皆さんが喜んで私にアンコールを送ってくださっていて、
こんな経験をさせて下さった皆様に感謝しつつ、この美しい夜の瞬間を心に焼き付けながら私なりのファドを歌わせていただきました。
終演後に、次々と色々な方から声をかけていただいたり、写真をとっていただいたり、まずはポルトガルの、リスボン以外の地域の皆様に「受け入れていただいた」ことにほっとした私でした。
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