19)ファディスタ Maria Portugalさん
19)日本は毎日憂鬱なお天気が続きますね。
リスボンは毎日すっきりと晴れて気持ちがよかったです。
リスボンのアパートのそばにはファドを聞かせるレストラン、「casa de Fado」が沢山ひしめき合っていてよりどりみどりだったのですが、2回続けて行ったお店が有ります。
「Restaurante Ja Disse」です。
Já Disse, Bairro Alto, Lisboa - Zomato Portugal
他にも沢山有る中で何故2回も行ったかというと単純な理由で、お店で働いているウェイターのリカルドが、昼間はそのレストランの向かいに在る食料品店で働いていて、私は毎日その店で水やワインを買っていたので、彼とは顔見知りだったからです。
その店には男女2人のFADO歌手(ファディスタ)が居て、そのどちらも結構な年齢のベテランです。
男性はJose Manuelさん。
オールバックが決まっているなかなかのハンサムな男性です。
一方の女性ファディスタはMaria Portugalというすごく解り易いお名前で、本名かどうかはわかりませんが、日本でいったら「日本花子」みたいなお名前なんじゃないでしょうか。
彼女は小柄な身体全体を震わせるような迫力の有る歌い方をします。
そして若いファド歌手には無い古き良きfadoの味わいが有ります。
テクニックではなく、その人間の生きた時間が塗り重ねられて絞り出され、ファドの心である「サウダーデ」の滲みでた声になっているという感じです。
1ステージ終わると歌手達は客席を回って自分のCDを売りに来ます。
私も彼女達からそれぞれ1枚買いましたよ♪
日本ではファドのCDはあまり種類は多く出回っていませんし、出回っているのはわりと有名な曲ばかりです。
私はどちらかというと古いファドが好きですし、こういうベテランの歌手のCDには、きっと面白い曲が沢山入っているだろうと思ったからです。
お店で買えるCDよりも、或る意味で貴重かもしれません。
ファド歌手は、CDを買うと必ず中を開けてサインをします。
サイン用にCDジャケットの内側が空白になっています。
これで1枚15ユーロです。
この値段は、このような安い庶民的な店でも高級店でも同じでした。
しかしこの二人のCDには、ギターやビオラのプレイヤーの名前はクレジットされていても、レコーディングスタジオの名前やエンジニアの記載は一切有りませんでした。
自分も今回ポルトガルでレコーディングさせてもらったので、そういう部分にも興味が有ったのですが、、、。
同じ15ユーロで高級店で買ったファディスタのCDはパッケージもメジャーのアーティストと同じような仕様で、スタジオからプロデューサー、ヘアーメイクまで全てクレジットされていて本格的でした。
そうそう、この店のウエイターのリカルド君。
いつもとても感じが良くて明るい人です。
その彼、背中に凄い入れ墨しているんですよ。
「これを入れるのに一ヶ月も待ったんだ」と言いながら嬉しそうに見せてくれたこの入れ墨!
率軽奴とか、離家留土とか、変な字じゃなくて良かったね!
では、「マリア ポルトガル」さんの「ファド ポルトガル」という非常に解り易い流れですが、一曲彼女の歌をシェアいたしますね。