『FADOの有る生活 A vida com Fado』  ポルトガル音楽ファドを愛する私のブログ Eu sou uma cantora japonesa cantar fado.      Fado修行の日々や地中海地方の文化についても綴っていきます

ポルトガルの #FADO(ファド)を歌う渡辺エマのブログです。FADOやポルトガルについて紹介します。ポルトガルには他にもワインや料理、世界遺産等魅力が一杯!サッカーのロナウドの故郷でも有ります。

20)Setúbal リスボン郊外セトゥーバル地方への小旅行

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 photo  A . Hasumi

20)フィリップさんのスタジオでのファドのレコーディングが終わった時、まだ夕方5時前でしたのでまだまだ外は日差しがたっぷりでした。
それもそのはず、サマータイムになる前の昨日までは4時だったのですから。
そしてここ数日のリスボンはとても気温が高く、初夏の陽気が続いていました。
町中にも半袖のTシャツに短パンなんていう軽装の人もちらほら居たくらい暖かな日が続いていたのです。。
するとギイダ先生が「もし良かったらこの近くを観光しない?」とご自分の車でのドライブに私達を誘って下さいました。
もともとこのリスボン郊外の「セトゥーバル」地方はギイダ先生の育った場所でも有り、今も先生のご両親はこの近くにお住まいなんだそうです。
ギターのTiagoは可愛らしいガールフレンドが迎えに来て帰ってしまいましたし、蓮見氏と私は今日までろくに観光どころではなかったので、喜んで先生のお言葉に甘える事にしました。


フィリップさんのスタジオの有る高台から車を走らせ、海の方に下って行きます。
海辺の狭い道にはこの日差しを求めてやって来た人々の車が溢れていました。
交互に通らなければ行き来出来ないような狭い海沿いの道。
信号がこんな風にぶら下がっていました。

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ここは大西洋!
すぐ向こうはアメリカ東海岸、そう、ニューヨークじゃないですか。
本当に遠くまで来たんだな〜と実感します。

セトゥーバル - Wikipedia


ここセトゥーバルにもカモメが沢山飛んでいます。
リスボンに来てから、いつもカモメが沢山飛んでいるのを見て来ました。
私の大好きなFadoの曲「Gaivota」もカモメという意味の曲です。
カモメは美しい鳥です。
真っ白に広げた翼の形もとてもスマートですし、無駄に羽を動かさずに上手に気流に乗って空中を浮遊しているように飛ぶ姿はうっとりするくらい優美です。
朝アパートの窓から、青い空高く舞っているカモメ達を見る事ができるのもリスボンならではの光景です。

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浜まで降りてくると、日本の江ノ島かどこかの海水浴場のように駐車場に車が溢れかえっていました。
どこにも駐車スペースは有りませんし、渋滞で車は動けなくなりました。
「車の中から海も見学できたし、もういいですよ」と遠慮したのですが、先生は「折角来たんだから是非あなた達だけでも車から降りて観光していらっしゃい」とおっしゃいます。
では、とお言葉に甘えて車を降りて浜辺の空気を吸わせてもらう事にしました。
混雑ぶりは江ノ島と同じでも、美しさは全然違います!
海の水が綺麗なのにまず驚きました。
何処かの南の楽園のように海の水は透明です。
そして外洋(大西洋)に面しているのに波は殆ど有りません。
辺りには人や車は沢山有りますが、ガヤガヤとスピーカーから音を垂れ流すお店の存在が無くて、とても静かです。
お店が無い訳では有りませんよ。
ただ、その存在が静かなんです。
海外のビーチに行くといつも感じる事です。
日本の海水浴場だけですよね。音が溢れていて自然の波の音もかき消されてしまっているのは。
残念な事です。

 

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そう思って海を見ていたら、駐車スペースを見つけて車を停めた先生もこちらにいらっしゃいましたので、我々は一軒のお店に入りました。
ここ、セトゥーバルポルトガルでも最古のワイナリーも有り、「モスカテル」という有名な酒精強化ワインの産地でもあります。

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  photo A. Hasumi

「モスカテル」というのはブドウの品種、マスカットの事でもあります。
その白ぶどうを使って作ったワインに、ブランデーを加えて甘口に仕上げたものが「モスカテル」です。
さらに大航海時代には、それを船に積み込んで出航し、帰って来る頃(数年後)に最高の味わいに熟成させたものも有ったようです。
コロンブスも飲んでいたのかもしれませんね!
このモスカテルはポルトガルでは、マディラ酒、ポートワインと並ぶ食後酒として知られているようです。
この海辺のお店で先生がご馳走して下さったモスカテルには、地元式でしょうか?薄く削ったレモンの皮が入っていました。
甘みはかなり有りますが、レモンの皮のせいですっきりしていますし、マディラ酒やポートワインよりも華やかな味で美味しかったです。
また、この日はいただきませんでしたが、この地方は牡蠣やイカの産地としても有名で、イカはフリットにして、牡蠣はオーブン焼きなどにして食べられているそうです。
そんな美味しそうな話を聞いて、レコーディングでクロワッサン一個しか食べていなかった私のお腹がグウと鳴りました。

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 photo A . Hasumi

静かな海辺のテラス席で美味しいワインを戴きながら、先生とお互いの家族の写真を見せ合ったりして、豊かな楽しい時間でした。
こうして先生のお心遣いにより、短い時間でしたが観光気分も満たされ、レコーディングの緊張もほぐれました。
カメラマン蓮見氏(そういう一面もお持ちだったんです!)も沢山の写真を撮ってご満悦でした。

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帰りの道は予想通り渋滞していてかなり時間もかかりましたが、車の中でギイダ先生のジャジーニョの歌や蓮見氏のギターソロをiPhoneのスピーカーで聴きながらリスボンまで戻りました。
アパートの近くまで車で送って下さった時にはもう暗くなりかけていて、朝早くのレコーディングから夕方のドライブまで長い一日で先生はとてもお疲れだったと思います。
ギイダ先生有り難うございました!
こうしてレコーディングの一日は無事に終わりました。

車の中で聴いた先生の曲と蓮見氏のギター演奏はこちら

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