『FADOの有る生活 A vida com Fado』  ポルトガル音楽ファドを愛する私のブログ Eu sou uma cantora japonesa cantar fado.      Fado修行の日々や地中海地方の文化についても綴っていきます

ポルトガルの #FADO(ファド)を歌う渡辺エマのブログです。FADOやポルトガルについて紹介します。ポルトガルには他にもワインや料理、世界遺産等魅力が一杯!サッカーのロナウドの故郷でも有ります。

16)ギタリスト Tiagoさん♪   と  私の大惨事。。。。

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 photo by A . Hasumi

16)さて、こちらに来て7日目。いよいよ現地のギタリストとの初顔合わせが有りました。

今回我々と一緒にFADOを演奏してくれるのはTiago Mornaさん。
事前にyoutube 等でどんな人かは確認していたのですが、ポルトガルギターラップミュージシャンと共演してみたり、保守的な空気のFADO界で彼は古い考えにとらわれない人のようにみえたので、私達も彼に会うのを楽しみにしていました。
会ってみると、そのイメージのまま若い感性を滲ませながら、ギター手に取ってFADOを弾けば,完璧に哀感たっぷりのFADOの旋律を奏でます。

この日は先生の屋根裏スタジオでリハーサル、というか初音合わせしたのですが、もう最高に美しいギターを弾いてくれます。
ポルトガルまでこうしてやって来たのもこのポルトガルギターのプレイヤーとのレコーディングが一番の目的です。
私と蓮見さんのユニットの音にTiagoさんの音が加わる事によって、自分で言うのもなんですが、もう一気に最強のFADOになったような気分になります。

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この二人のアンサンブル。
酔わせてくれるんですよねえ〜♡

そんなこんなでTiagoさんと二日に渡って音合わせしたのですが、二日目の音合わせの後、Tiagoさんは夜のFADOの仕事の前まで時間が有るという事で、一緒にお茶をしました。
彼が連れて行ってくれた所はとても美しいビューポイントでした。
これはガイドブックにも載っていないんじゃないかと思います。
テージョ川を見おろす傾斜地に若い人が沢山集まっています。
東京で言ったら代々木公園か、お台場みたいな感じかな。

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 photo A. Hasumi

話に夢中になっている間にすっかり日も暮れてきました。

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仕事に向かうというTiagoさんと一旦別れて食事をしたのはバイロアルト地区の有名なお店、A Tasca do Chicoです。

このお店はアルファマのファドハウスとは違い、下町のファドハウスという感じでドリンク一杯の値段でファドが楽しめる有名なお店です。
でも生憎この日はファドは有りませんでしたが、ポルトガル名物(?)の焼きソーセージで美味しいビールがすすみました。
このソーセージ、表面が焦げるまでしっかり焼きます。
器もその為の専用の器です。

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 photo A. Hasumi

この美味しさでビールの他にワイン1本を空けてしまいました。
お腹も一杯になったところで夜の9時。
Tiagoさんが出演しているファド居酒屋に顔を出してみようという事になりました。
タクシーで出かけた先は、、、リスボンの中心地から少しはずれた地区。
絶対に地元の人しか来ない店です。
お店は1階が立ち飲みのスペース。
二階がファドを聴かせる椅子席になっています。
二階に空席が有ったので、蓮見氏と私はそこに座って自家製サングリアをピッチャーで飲みながら地元の人が代わる代わる歌うのを聴く事が出来ました。
何人かのファドが終わると、Tiagoさんが私にも歌を歌う様に言いにきました。
先日のファドハウスの時もそうでしたが、この時もすでに私は完全な酔っぱらいですので(!)軽率にもお誘いを引き受けてしまいました。

そして悲劇は起きました。
一曲目、古典の曲を歌ったのですが、それはうまくいったのですよ!
そして歌い終わって、まあそれなりに拍手もいただき引っ込もうとしたらお客様達にもう一曲歌えとうながされ、急遽「アルファマ」という曲を歌う事にしました。
ところが、歌い始めるとワンコーラス目の途中から演奏と歌がどんどんズレはじめたのです。
歌えば歌う程そのズレは修正不可能な程になってしまい、もう私の頭は真っ白です。
Tiagoさんが機転をきかせてずれを修正する為にアドリブで間奏を入れてくれましたが、もう起きてしまった事故はお客様も皆わかってしまっていること。
アドリブの間奏が終わってさあ、どこから歌に戻ろうかと困惑していると客席の女性が口パクで助けてくれる始末。
ああ〜〜〜やっちゃった。

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 photo by A .Hasumi

あとでTiagoさんが言うには、私の覚えているこの曲のバージョンと地元のミュージシャンのバージョンが違ったのだという事でした。
そうは言ってもね、歌う前にちゃんと自分がどのバージョンで歌うのかをきちんと伝えるという事もFADO歌手の仕事なのだと勉強させられました。

そんな私がこの夜の出来事で一番印象に残っているのは、私の大惨事の最中にカメラを構えてお店や私の写真を撮って、「ちゃんと写ってるかなあ〜〜?」なんて呑気にカメラの画面を覗き込んでいた蓮見さんの姿です。

そういえば昨日言ってたよね〜「大丈夫だよ〜。失敗したってなんだっていい思い出にはなるんだからさ〜♪」って。。。。
確かにいい勉強にはなりましたがね。
ちっとも大丈夫ではありませんよ。
あああ〜〜〜
しばらく落ち込ませて下さい。

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