62) Summer in Portugal 1 ポルトガルの夏 1
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2016年、この夏のリスボンにはとても多くの観光客が押し寄せていました。
夏といえばどこの国でも楽しいイベントがつきものですが、ポルトガルでも各地でイベントが開催されて地元の家族連れや若者グループ、観光客などで盛り上がっています。
私もそのイベントの一部に参加させていただき、カーサデファドで歌う時とはまた違った環境でのファドの経験を多くさせていただきました。
「ファドフェスティバル」
リスボン郊外北部に位置する、リバテージョという地方を御存知でしょうか?
牧畜や米作り、そしてワインの生産も多く行なっている牧歌的な地域です。
そのリバテージョのSamora Correiaという町の広場では毎年一回夏に「ファドフェスティバル」が開かれます。
町の中心の教会を囲む広場にステージが作られ、客席の脇には町の人々が運営するレストランのテントが並びます。
サマータイムのポルトガルは夜の訪れも遅く、9時を過ぎてやっと暗くなりますので、ファドフェスティバルの演奏開始も10時からと、日本では考えられない遅さです。
私達( 私とエージェントのスタッフ二人)、は5時頃には会場入りしてリハーサルを行ないました。
丁度我々が着いた時には町の教会では結婚式も行なわれていて、着飾った人々でそれはそれは美しい光景でした。
町にやっと夕闇が訪れるといよいよファドの始まりです。
本日の出演者は全部で7人。
ファディスタ4人とギタリスタ3人です。
広場の一角に設けられたステージには3人のギタリストが並び、そのステージと向かい合うようにして建っている市民会館のバルコニーがファディスタの舞台です。
ロミオとジュリエットの舞台に出てくるあのバルコニーと同じような中世の装飾の施されたバルコニーです。
そこに一人ずつファディスタがが出て来て歌うのです。
それはもう夢のような美しい舞台環境でした!
この日のファディスタを紹介しますと、
まずは Dora Maria Maria さん。
とても綺麗な大きな目をした女性歌手です。
彼女とはもう何回か会ったことがあったのですが、いつも素敵なかっこいい旦那様と一緒で、ご夫婦がとても仲良しなのは知っていたのですが、この日は二人のお子さんも連れて来ていました。
そのお子さんがなんと、ポルトガルの地方の小さな町の広場でポケモンゴーをやっているのには驚きました!
またCasimira Alvesさんというファディスタの方は初対面でしたがすごく力強い、良い歌い手さんでした。
力強い歌声の一方で、人柄はとても親しみやすく、謙虚な方だったのが印象的でした。
その他に男性ファディスタが2人、João Choraさんと Francisco Sobral です。
どちらも大ベテラン!
渋い歌声を聴かせてくださいました。
私は特別ゲストということで、2曲のファドを歌わせていただきました。
夏の夜の広場にはいつの間にかぎっしりとお客様がつめかけ、夜空には明るく美しい月が、、、。
私の出番はなんと、ちょうど広場に面する教会の時計が12時を指したときでした。
シンデレラの魔法が解けたみたいに私の魔法もとけたらどうしよう〜〜。
などと思いながらドキドキしてステージに上がりました。
歌い終わってみれば、お客様皆さんが喜んで私にアンコールを送ってくださっていて、
こんな経験をさせて下さった皆様に感謝しつつ、この美しい夜の瞬間を心に焼き付けながら私なりのファドを歌わせていただきました。
終演後に、次々と色々な方から声をかけていただいたり、写真をとっていただいたり、まずはポルトガルの、リスボン以外の地域の皆様に「受け入れていただいた」ことにほっとした私でした。
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61)リスボンのグルメな生活 2 cozinha Português 2
61)リスボン 美味しい生活 お肉編!cozinha Português 2
前回のブログから更新が滞ってしまいました。
3月4月5月6月と春から初夏にかけてのリスボンはとても過ごし易く良い季節でした。。
6月にはリスボンの守護聖人サンタントニオの祝日とイワシ漁解禁の日が重なり、町中いたるところでイワシを焼く屋台が並び、リオのカーニバルのような町内対抗仮装パレードのコンテストが行なわれる等、毎日がお祭り騒ぎですもちろん私もアルファマの屋台で焼いた香ばしくて美味しいいわしをいただきましたよ♬
そんなリスボンも7月にはいってもうすっかり夏になり、35度を超える暑さが続いています。
街中にはいちごやサクランボなどの屋台もでて、通行人が買い求めています。
さて、前回はポルトガルの魚料理に関してご紹介しましたので、今回は肉料理についてご紹介します。
魚好きのポルトガル人ですが、もちろん肉料理も大好きです。
そして私がまっさきに日本人にご紹介したいのは、こちらです。
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ポルコ デ アレンテジャーナ
豚肉とアサリの組み合せです!
日本人にはあまり馴染みが無い組み合せですよね。
でも、「嫌だあ〜〜そんなの」という感じでもないですよね。
実際に食べてみると、これがとっても美味しいです♡
豚肉のしっかりした噛み応えとアサリの柔らかい食感。
お肉に染み込んだアサリの旨味。
リスボンのレストランなら大抵どこでも食べられるポピュラーなメニューですが、もともとはポルトガル東部、アレンテージョ地方のお料理です。
この地方はスペインと国境を接しているので食べる豚はほとんどスペインと同じ、イベリコ豚です!
シンプルなイベリコ豚のステーキなどは、言葉を失う美味しさです
私がご紹介したこの店はAlfamaのカテドラル正面でてすぐ横、コンビニの隣の小さい小さいお店です。
そんな美味しい豚の味を知っているポルトガル人。
ファーストフードにも豚肉です!
ビファーナ豚肉サンドです。これは町のカフェなどで食べる事ができます。
分厚いステーキ状のお肉が挟まっていたり、薄切り肉を重ねて挟んでいたり肉汁のソース(これがまた美味しい!)のかけ具合もお店によって様々です。
私はソースたっぷりが好きです。
お値段も5ユーロぐらいですので簡単に済ませたい時はお勧めです。
簡単といえばもう一つ私の大好物があります。
チキンパイです。 - こんな風にテイクアウトも出来ます。
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中には鶏肉と野菜がギッシリ
これも街中のカフェでも買えますし、パン屋さん、スーパーのお惣菜コーナーなどでも買う事が出来ます。 - 写真のパイは2.5ユーロくらいでした。ハンバーガーくらいの大きさのパイの中に、細かくして味付けした鶏肉がたっぷり入っています。
- カフェによって味は様々ですが、美味しいお店にあたるとおかわりしたくなる美味しさです。
ボリュームがありますので腹持ちもよく、これもよくお昼ご飯としていただいたりします。
チョリソー
平仮名の「し」のような形をしたチョリソー、これもポルトガル料理には欠かせません。
スープの「だし」(ベーコンのような役割です)として使ったり、炊き込み御飯に入れたり、ホワイトソースとバカリャウのグラタン「バカリャウ コン ナタ」にトッピングとして載せたり。様々な料理に登場する人気食材です。。
このまま焼いて食べる時はとても面白い焼き方をします。
スノコ状になった陶製の器の上に丸ごとのせてアルコールをかけてそこに火をつけるのです。
青い炎に包まれてこうばしく表面があぶられていきます。
火が消えてからナイフできっていただくのですが、カリカリに焦げた表面の香ばしさと肉の旨味が噛むごとにじゅわっと染み出て来てとても美味しいです。
ポルトガルではこのチョリソーは沢山の種類がつくられていて、スーパーの肉売り場には何種類ものチョリソーが並んでいます。
Tabuas Port Wine Tavern
Rua dos Bacalhoeiros 143,
次はステーキ
ナコ ナ ペドラ Naco na Pedra
石焼ステーキです。
熱く熱した石の台に載せた肉を自分で切っていただきます。
肉が大きな塊で来る店もあれば、このように普通の(といっても大きいですが)ステーキ肉のような厚さの店もあります。
塊の肉の時は、自分で肉をひっくり返して、焼けた部分を削り取るようにして食べます。
ソースもいろいろついて来ますので味付けも自分流です。
これにフライドポテトが添えられているのでもう大満足のボリュームです。 - これとサラダ、ワイン、食後酒までいただき2人で25ユーロだったような、、、ごめんなさい酔っ払ったのでうろ覚えです。サンロケ教会とカモエス広場の中間に位置するこのお店は友人と偶然入ったお店ですが、気に入って一人でも昼食を食べにいきました。肉料理以外にも魚料理も豊富な地元の人気店です。
Gruta Camoes, Mario
R. da Misericórdia 55, Lisboa
気どらない食堂のランチメニュー
こちらは裏通りの大きな食堂です。
お昼になると近所の警察署などからランチをテイクアウトするために多勢の警察官がやってきます。
とても安い値段で美味しいので大人気です。
たまたま買い物帰りに通りかかり、その繁盛ぶりが気になっていたのではいってみました。
私がオーダーしたのはチキンのクリーム煮のようなもの。-
このクリーム、紅茶のようようなほうじ茶のような香りのする美味しいソースでした。
ポテトもご飯もついているのでそれだけで充分ですが、このお店は絶対美味しいだろうと思ったので、この時は連れもいたのでスープとサラダも頼んでみました。
ポルトガルのスープについてはまだ書いたことが有りませんが、大お薦めです。 -
お野菜がたっぷり入った田舎のママの味風なスープ「レグメス」とか「カルドヴェルデ」等はパンと一緒にいただけば私はこれでお昼ご飯が終わってもオッケーです。
旅先で体力が落ちて食欲の無い時などにも良い食べ物です。
ピンゴ ドゥースなどのスーパーでは大きなタッパーに入ってそのまま暖めれば食べられる状態で売っています。
このお店のスープもおいしく、また量もたっぷりでした。
この時は少し寒かったので身体も暖まり元気がでました。
これとワインと食後のコーヒーで二人でこのお値段!
安いでしょ? -
Restaurante Santa Rita
Rua de S. Mamede 24, 1100-323 Lisboa
ポルトガルのお食事は本当に安くて美味しく、日本人の口に合わない料理は無いと思います(スィーツを除く)
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60)リスボンのグルメな生活 cozinha Português
60)前回のリスボン修行から一ヶ月もたたずにまたリスボンに行って来ました。
今回はいろいろな打ち合わせと「歌う事」それにつきました。
しかし歌う事以外にも、見聞きしたもの食べたり飲んだりした物など、書きたい事は山ほど有ります。
順を追って書いているといつまでたっても現実に追いつかないので、今回はリスボン滞在2回分まとめてグルメレポートです。
とは言っても、私は観光で行っているわけではないのであまり外食はしていません。
部屋でパンとチーズ、ヨーグルト、フルーツなどだけで済ませる事も多いです。
リスボンに行くといつもまずスーパーに行くのですが、スーパーのお惣菜売り場の食べ物もなかなか美味しいですし、冷凍の魚のフライなどを買ってきて部屋のキッチンでソテーして白ワインと共にいただくなんていう時もあります。
そんな訳で私のあまり豊富ではない外食経験ですが、その中から特に印象に残ったお勧めのグルメをご紹介します。
リスボンでレストランに入るとまずこのようなチーズやバター、サラミ、生ハムなどのお皿とパンが出てきます。
これは要らなければ最初に断って下げてもらいましょう。
そうすれば請求されません。
ニコッと笑って「ノーサンキュー」で必ず通じます。
トラブルのリスクをなるべく少なくして気持ちよく旅行する為にも、物事はシンプルにしておいた方が懸命です。
ではいよいよ本題
まずは
お魚料理
ポルトガル料理で魚と言ったらバカリャウ
そう、干した鱈の料理は外せません。
というかレストランに行ってお薦めは?と聞いたら必ずバカリャウと言われるでしょう。
バカリャウとはこんな風に開いて干された鱈のことです。
これは陶器で出来たバカリャウのオブジェですが、こんな物を作るくらいポルトガル人はバカリャウを愛しているんですね。
そういえばファドにもFADO BACALHAUといってバカリャウがタイトルになってる曲が有ります!
この干し鱈バカリャウを、ポルトガル人は呆れる程良く食べます。
先ず最初に
パステス デ バカリャウ
ほぐしたバカリャウとジャガイモを団子にして油で揚げたもの。
こちらのお店ではお通しみたいに席に着くと出てきます。
これはビールのおつまみにも最高です。
バカリャウ コン ナタ
こちらはほぐしたバカリャウをホワイトソースでグラタン状に焼いたもの。
食べやすく、美味しいです。
Bacalhau a Braz バカリャウとポテトの玉子のお料理
これはほぐしたバカリャウを千切りのフライドポテトとオリーブ、玉子などと炒めたもの。
スーパーにはこの為の千切りフライドポテトを袋詰めにして魚売り場などで売っています。
こちらはドラータ 黒鯛のグリル
薄く衣をつけてパリッと焼いてあります。
決して小さくはありませんがさっぱりした白身なのでペロリと食べられます。
こちらも同じような白身魚のグリルです。
この時は歌う直前で緊張のあまり食べられないでいたらお店の人が心配して何故食べないのかと聞いてきました。
私が事情を話すと、では明日返してくれればいいよと、お皿ごとアルミフォイルで包んで持ち帰らせてくれました。
もちろん翌日洗ったお皿を、返しに行きました。
気取らない食堂だからこそできることですね。
この写真は食べかけのそれを翌朝アパートで食べている時のものですが、冷めていても美味しかった!
こちらはイシュパーダ のフリット
アルファマの丘の上、カテドラルの近くのこの店はもう何年も前からお気に入りでしばしば訪れていますが、魚料理中心の大衆食堂といった店です。
このお料理の付け合わせのジャガイモのフライ、写真だとわかりにくいかも知れませんが、見事なまでに大きさ厚さ長さがめちゃくちゃなんです。
しかしその美味しい事と言ったらありません。食べ始めると止まらない美味しさです。
またこのお店のサラダですが、私がリスボンで食べたサラダで1番美味しいと思うサラダはこの店のサラダです。
とは言っても私はいつも「インサラータ」といって、所謂シンプルなミックスサラダしか頼みませんので、その「インサラータ」の中での比較です。
シンプルなだけに美味しく作るのは難しいと思いますが、ここはいつも味の付け具合が最高なんです。
旅先で疲れている時のビタミン補給やリフレッシュにも最高です。
お店の入り口
お店の名前はRio Coura
お昼どきには外で待つ人の姿も。
このお店はトラム28番沿いに位置していてとてもわかりやすい場所に有ります。
カテドラルから少し登った左側です。
http://m.yelp.com/biz/rio-coura-lisboa
店先には魚が無造作に山積み!
長くなりましたので
お肉料理は次回に書こうと思います。
ところで、来月6月のライブはおかげさまで予約開始から一週間で満席御礼となりました。ありがとうございます。
また随時こちらのブログでもライブのお知らせをさせていただきますね!
興味の有る方は 『ファド バカリャウ』動画をご覧下さい
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59)ルゾフォナ大学 その2 Univercidade Lusófona 2
59)Estudei Português na universidade e eu tenho um grande amiga.
ルゾフォナ大学語学研修の続きです。
カンポグランデ駅から迷いつつやっと辿り着いた大学。
校内に入ります。
念のために早めにアパートを出ていたので指定された時間より20分程早く着きましたが、もう大学の校門は開いていました。
守衛さんに教えて貰ったカフェテリアで時間をつぶしてから、メールで事前に指示を貰っていた場所に行くと先生が待っていてくれました。
黒いウェーブの長い髪の素敵な先生です。
カフェテリアの入り口
朝から焼きたてのナタも食べられます。
先生の後について先生の部屋(いかにも大学の先生の部屋という感じで、本や資料がうずたかく積み重なっていました)に行き椅子を勧められ、これから使用する教科書一式を貰いました。
テキストにはノート用の白い紙の束とすごく書きやすいペンまでついていました。
私も日本から持参したお土産をお渡しして、これからお世話になる挨拶をしました。
そして先生からどんな言葉がどのぐらい話せるのか聞かれ、パスポートを見せるように言われました。
私はイタリア語と英語が少し解る事、ポルトガル語はイタリア語とごちゃ混ぜになって勉強するのに非常に苦しんでいる事を説明し、先生にパスポートを渡すと先生はコピーを取りに部屋を出て行きました。
待っている間に筆記用具を準備してテキストを眺めていると先生が戻って来て、部屋を移動するから荷物を全部まとめるようにおっしゃいました。
おや、この部屋で勉強するんじゃないのか〜と思いながら先生の後についていくと、ある教室に着きました。
コンコン
ドアをノックする先生。
?
すると部屋の中に女性が一人。
先生はその女性に向かって私を紹介し始めました。
「この人が日本から来たエマさんです。イタリア語と英語が少し出来るみたいです」
それだけ言うと部屋を出て行く先生、、、、。
いや、先生じゃなかったんだ!
先生は、今私の目の前にいるこの人!
私は迂闊にも、事務の女性にお土産を渡してしまったんです。
わざわざ渋谷迄買いに行った美しい日本の漆塗りの器を、、、、。
そんな訳で私は改めて目の前に居る女性に挨拶をしましたが、心の中ではせっかく持って来たお土産の事で激しく動揺していました。
そしてその本物の先生にはお土産も渡さずに始まった授業ですが、、、「うううこういう事はもう知ってるよなあ」というポルトガル語の本当の初歩の初歩から始まりました。
先生はアルカンジェラさん。さっきの事務の人よりは少し年上のようですが、気さくで明るい人です。
ポルトガル語を英語で全部説明して下さいます。
つまり
ポルトガル語を勉強しようと思っていた私が、いつのまにか先生の話す英語を聞き取るのに必死になっていました。
OH!
この日はお土産事件から必死の英会話(!)まで、本当にぐったり疲れてアパートに帰ったのは言う迄もありません。
帰ってから宿題を片付けてファドを聞きに行く気力も出ずに早々に寝てしまいました。
翌朝もまた暗いうちから起きてカテドラルの横を下り、駅に向かいます。
昨日先生にお土産を渡せなかったので、ギタリストのティアゴ君に渡すつもりで持って来た日本酒を先生へのお土産にしようと持って来ました。
またしても少し早く着いたのでカフェテリアに直行。
コーヒー(ポルトガルのコーヒーはイタリアのエスプレッソと同じ、デミタスカップにちょこっとしか入っていません。)を飲んでいたら、昨日間違えてお土産を渡した事務の人が入って来ました。
そして私を見つけると急いでこちらに近づいて来て私の両手をとりぎゅっと握って、「ボンディア!」と丁寧に挨拶されました。
きっとお土産を気に入ってくれたのでしょう。
「はあ〜〜」自分の失敗をまた思い出し溜息が出ます。
そして二日目の授業、
テキストと練習問題、そして先生がパソコンからプロジェクターを使ってホワイトボードに要点をまとめてみせてくれます。
それら全部が、私一人の為に行なってくださっている事ですから贅沢ですよね。
また、英語からポルトガル語を教わることについては
初日は英語を聞き取るのに必死でしたが、二日目になって余裕が出てくると、日本語からポルトガル語を考えるより、英語からポルトガル語を考える方が近くて早いという事がわかりました。
「ボタン」「カルタ」のようにポルトガル語と日本語には共通点がありますが、やはり英語とポルトガル語の方が同じ文字を使う言語ですし、音が近くて理解し易いのです。
例えば日本語で「同情」という意味の英語「sympathy シンパシー」は、ポルトガル語で「simpatia シンパティーア」。
英語の「シンパシー」を知っていればすぐに「あ、あの言葉だな」とわかります。
このように近い言葉が多い分、理解はし易いようです。
また、アルカンジェラ先生はとてもざっくばらんでお茶目で面白い人。
運動が嫌いでインドア派だという話から意気投合し、「高いお金を払ってわざわざジムで身体を鍛えまくっている人の気が知れない」という話でおおいにシンパシーを感じ仲良くなりました。
(運動好きさんごめんなさい!笑)
そしてその日からアルカンジェラさんは帰り道にバスを使うのをやめてわざわざ私に付き合ってメトロに乗ってくれるなど、まるで日本人の女の子同士のように一緒に仲良く帰るようになりました。
メトロでのお喋り、女子校生に戻ったみたいで本当に楽しかったなあ!
カンポグランデ駅の改札
緑ラインと黄ラインが乗り入れてます。
こうしてたったの1週間ですが、大学での語学研修は良い先生に巡り会ってとても濃いものになりました。
勉強の内容はやはり1週間では初歩の初歩の域から出ませんでしたが、仲良くなった人と毎日午前中の3時間近くをあれこれお喋りして過ごすというのはとても勉強になりました。
アルカンジェラさんが普段家族とどのようにどんな食事をしているかとか、それは誰が作るかとか、趣味の旅行の話とか、、勉強以外の事もたっぷり話せました。
また、私のファドのCDをとても気に入って下さって、毎日車で大音量で聞いてくれていたそうで、嬉しかったです。
そして最後の授業の日、アルカンジェラさんが私にプレゼントをくれました!
私も歌っている「Gaivota かもめ」という曲の詩を書いたアレッシャンドレ オニールの詩集。
そういえば、私のCDを彼女にプレゼントした時に曲の一覧をみて「「かもめ」の詩はとても美しいのよ」と言っていた彼女。
わたしにこの本をプレゼントしたくて本屋さんを3軒も回って探したんだそうです。
もう!今思い出しただけでも泣きそうになります。
毎日夜中迄ファドを聞きに行ったりしながら、朝は暗いうちに起きての電車通学は楽ではありませんでしたが、一生の友を得たかけがえのない一週間でした。
ありがとうございます!
Obrigada
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58)ルゾフォナ大学その1 Univercidade Lusófona
58)今回のリスボン行きのそもそもの目的は語学レッスンでした。
私のポルトガル語を少しでもマシにしたいと思い日本でも勉強はしているのですが、ずっと苦戦しています。
イタリア語の勉強をした時もそうだったのですが、やはり語学がぐっと身に付く時というのは現地にしばらく滞在して、毎日無理矢理でもその国の言葉を使う時です。
苦労してお店やホテルでひねり出したフレーズはいつまでも記憶に残っています。
イタリアのアマルフィのホテルで廊下の一部の電球が切れて真っ暗になってしまい、すぐに替えて下さいとフロントに言いに行った時。
ナポリのホテルから航空会社にリコンファームの電話をしなければならなかった時。
ベネツィアの街で、まだ0歳児だった息子の飲み物を作る為に軟水を探し買い求めた時。
ベローナで皮膚が太陽かぶれをおこし薬局で症状の説明をして薬を買わなければならなかった時。
そんな時に必死でひねり出し、冷や汗をかきながら使ったフレーズは今でもはっきり覚えています。
要するに身体で覚えるタイプなんですね.私は、、。
今回もそのパターンで少しステップUPするべく私はリスボン行きを計画しました。
そして短期間で効果を出す為にはただ滞在しているより学校で勉強した方がいいように思いますし、出来れば現地の大学で短期集中講座などを受けられたらいいな等と考えていました。
ところがうまくいかないことに今年はこの時期がキリスト教の復活祭と重なってしまいました。
ポルトガル人はだれもこの時期は働かず、休暇をとって家族と過ごすのだそうです。
学校も会社も休み。
復活祭の一週間はリスボンの各機関は機能しないようです。
ということで当初の目論みの半分の期間となってしまいましたが、復活祭明けの1週間、私はリスボン郊外の「ルゾフォナ大学」に語学の勉強に通うことになりました。
ルゾフォナ大学はリスボンの街の北、空港の近くに位置し、「カンポグランデ」という地下鉄の駅からすぐのようです。
私が滞在していたアルファマからですと、「バイシャ シアード」という駅からメトロを利用すると乗り換え無しで行かれるとわかりましたので、授業の前日にあらかじめ地下鉄の駅迄行って、駅迄の所要時間と改札口の位置を確かめ、プリペイド式のカード「Viva viagem」を購入しました。
バイシャシアードの駅入り口
「VivaViagem」は緑色の紙のカードですが、ICチップが入っていて追加チャージも出来ますし日本のPASMOやSuicaと同じように鉄道、バス、トラム等の他の交通機関でも使えます。
とりあえずそのカードに10ユーロチャージしてみました。
この機械が駅に沢山並んでいます。カードの購入、チャージはここで出来ます。
英語表示も選べます。
そして翌朝、まだ暗いうちに起きて部屋を出ます。
するとそこには今迄見た事の無いリスボンの姿がありました。
朝7時半のリスボンです。
観光客は全く居ません。
歩いている人が居てもそれは地元の通勤通学の人、そして昼間は大賑わいの道の真ん中ではスーパー等に納品に来た車が荷物を降ろしているのに出会うくらいで、殆ど人気は有りません。
石畳の美しいアヴェニダーデ大通りを独り占めして歩くのは本当に気持ちがよかったです!
レストランの店先には配達されたパンがぶら下がっています。
それでも地下鉄の駅に来れば、どこから集まって来るのか沢山の人が足早に駅に吸い込まれて行く風景は日本と同じ。
時刻表が見当たらなかったので少し時間に余裕をもって来ましたが、電車はすぐに来ます。
また、ホームの電光掲示板には次の電車が到着する迄の残り時間が表示されていますので、判り易いです。
一つ注意が必要なのは、電車がとても短い編成(だいたい3〜4両?)で来るので、ホームの端に一人でぽつんと待っていると乗りそびれる危険が有ります。
なるべく人が沢山待っている場所で待つ方が無難です。
この「バイシャシアード」の駅には私が乗る Linha Verdeリーニャ・ヴェルデ(緑ライン)と、Linha Azulリーニャ・アズール(青ライン)の二本の線が乗り入れています。
緑ラインの路線図
リスボンにはこの他にLinha Vermelhaリーニャ・ヴェルメリャ(赤ライン)、 Linha Amarelaリーニャ・アマレラ(黄ライン)が走っています。
余談ですが、空港からリスボンの街に直接乗り入れているのは赤ラインです。
でも「ロシオ」等のにぎやかなエリアに行くには乗り換えが必要です。
さて、「バイシャシアード」駅から10駅、およそ20分。
「カンポ グランデ」駅に到着します。
この建物の中に駅が有ります。
日本でもそうですが、郊外の大学の有る駅というのは、駅を降りてもそこには商店街も住宅街も無く、何車線も有る広い道路と、何処が入り口か判らない広大な敷地の大学や運動場、公園などがドーンと有るだけ。
目印になるようなお店等も有りません。
駅の人に聞いたら「あの辺」とすごく大雑把に教えてくれたのでとりあえずその人の指差す「あの辺」目指して歩き始めました。
大学の校舎みたいな大きな建物が間隔をあけて並んでいます。
どれもみな同じようで非常に判り辛いです。
駅にあった周辺案内図
(地図の右下、緑色の公園の右側に位置するオレンジの細長い建物がルゾフォナ大学でした。)
そしてあちらで聞き、こちらで聞きしてすごく無駄に大回りをしてやっと辿り着いた大学は思ったよりこじんまりしていました。
さて次回は授業の様子について書こうと思います
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57)貸し切りファド Noite de Fado
57)リスボンに来てカーサデファドに行かない、、、?
それは旅行に行った先でグルメ三昧しているのに最強のご当地B級グルメを味わわないのと同じ事です。
リスボンのファドは庶民の音楽です。
今回の旅で私は確信しました。
リスボンのカーサデファド(ファドを聞かせるレストラン)にもいろいろあって、観光客が団体で押し寄せるような店はお金儲けと割り切っている所が多いようです。
ダンス有り、お笑い有り、ファド+αでごちゃごちゃと盛り上げるので純粋にファドを楽しみたいと思って行くともしかしたらがっかりするかもしれません。。
でも、なんというかその割り切り方もポルトガル人のそれはあまりえげつないものでは無く、なんだか「それはそれだよね」と許せるような空気があります。
しつこい客引きも殆ど有りませんし、店の中で観光客向けのショウをやっていようと、マニア向けのファドをやっていようと、それぞれだからいいんじゃない?という気にさせられます。
さて、私はおかげさまで自分もファドを歌いますので、少しは見分けがつきます。
今回はショウupされたものはスルーして、本当の「場末のファド」を見ようと決めていました。
そもそもファドは、ここのブログでも何度かふれていますが、安宿や酒場の女などが歌った歌から始まったといわれています。
人間の一番生臭い部分から始まった音楽です。
なんと魅力的な!
綺麗事ではない、リアリティの有る音楽です。
私はそのような音楽が大好きです。
さて、そんな私がリスボンに来て最初に選んだお店はアルファマの路地の奥に有る小さな小さなお店「FADO Maior」です。
私が行ったとき、7時半ぐらいだったと思うのですが、このお店にはお客は居ませんでした。
「FADO?」と聞くと「うん」というような返事が返ってきたのでその店に入りました。
しかし、私は一人です。
この後にグループが入ってくるかもしれないので、お店はガラガラなのに端っこのファディスタが休憩するテーブルに座らされました。
少し待っていると、若い女のファディスタが入って来て4曲歌います。
「おお!私も練習しているあの曲を、彼女はこういうふうに歌うのか、、、!」
力強く、メロディと取っ組み合うように歌うその歌声。。歌い終わった彼女に「あなたのさっきのFADO、すごかったわ。勉強になった」といったら怪訝な顔をされました、、、。笑
気がつけば端っこの席からすっかり身を乗り出して聴き入っている私。
なんだかんだと男性2名、女性2名
4人のファディスタがその一晩に歌いに来ました。
彼らもお客が私が一人で、しかも東洋人の変な女が一人????
すご〜〜くやりにくそう。笑
でも、勿論彼らは真剣に歌いましたよ!
どの歌手もストリート(下町)で歌い、その歌声で相手をねじ伏せるような闘争心の有る歌。
そんな力強い歌手ばかりでした。
歌声を武器に相手をねじ伏せるなんて、自分は全く思いもしなかった事ですが、庶民派のファド歌手の世界ではそれが日常。
きっと仕事の奪い合いもあるでしょう。
そんな厳しさが伝わってくるようにファディスタ達は歌で攻撃して来ます。
「どうだい?」
「あんた、あたしみたいな声なんか出ないだろ?」
「さっさと引っ込んでママに抱っこしてもらいな」
というような格好いい心の声が歌声の後ろから聞こえて来ます。
ロックな感じ!
今回の旅の最初のファドとしてはなかなか面白いんじゃない?
今迄はわりとテレビ向けの上品なファドとか、観光客向けのファドしか見た事が無かったので、本当に勉強になります。
歌が終わると歌手達は自分のCDを持って売りに来ます。
私は自分の目の前に座っている歌手達のCDを勿論買いましたよ。
私がCDを買うと、彼らは嬉しそうにすぐにパッケージを破って中のジャケットにサインします。
このサインもパターンが決まっているみたいで、CDのジャケットになっている紙の中は白紙になっていて、そこにメッセージやサインが書けるようになっています。
こういうCDこそ貴重です。
Amazonでも買えません。
私は今回、このレアなCDを沢山ゲットしました。
そうは言っても、女一人旅。
あまり遅く迄調子にのっているわけにもいかないので、早々に引き上げました。
だって、まだ旅の1日目。
しかし、1日目にしてファドの神髄の端の端の端の方を覗いた気がしました。
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56)2016リスボン修行の旅 2 Fundação Amália Rodrigues
56)さて生活の準備も整ったので、まずはあの方に挨拶に行かねば!
そう、昨年レコーディングに訪れた時もリスボンに着いてまず私がした事はアマリアロドリゲスのお墓にご挨拶に行く事でした。
何故なら、アマリアの歌を私も沢山歌わせて貰っているからです。
私は「人が魂を込めて歌った曲を歌う時はその人に対する尊敬と感謝を表してからでないと歌えない」と思うのです。
今年はまず、アマリアロドリゲスの家を訪ねてみることにしました。
アマリアの住んだ家は中心からは少し距離が有りそうでした。
Fundação Amália Rodrigues
R. São Bento 193
1250-219 Lisboa
リスボンの街は起伏が有るので地図だけ見ていても所要時間が計れません。
地図上ではすぐ近くに位置しているのに急坂を昇り下りして、辿り着くのにとても時間がかかったなんていうことがしょっちゅう有ります。
試しにグーグルマップに目的地の住所を入れてみたら、バスで37分、徒歩では35分というわけのわからない結果が!
ということで行きはタクシーで直行しました。
着いてみると可愛らしい黄色いお家がアマリアのお家でした。
入り口で見学したい旨を申し出ると、ホテルのバスルームに有るシャワーキャップのような靴カバーを渡され、靴にかぶせます。
そしてガイドの方と家の内部へとすすみ、リビング、ダイニング、クローゼット、キッチン、ベッドルームなどを見せてもらいます。
ガイドをしてくれるのはアマリアの付き人をしていたという女性。
この方は、アマリアとこの家に同居しての身の回りの事をなんでもやっていたらしく、コンサートの時は音響係までやったのだそうです。
アマリアは何度も日本を訪れているので、日本の物も沢山置いてありました。
そしてなによりも、やはり衣装を間近で見られたのは感動しました。
歌手はステージに立っている時が全てですからね。
「おおおお!この衣装でアマリアは世界にファドを届けたのね!」
思ったより小柄なアマリアの衣装から、アマリアの匂いと体温が伝わって来るような
そんな時間でした。
さて、帰りはのんびり歩く事にしました。
最初こそ方角が合っているか少し不安でしたが
すぐに「バイロアルト→」とか「アルファマ↑」とか看板が出てきました。
少し歩くと小高い丘の頂上に。
とても眺めもいいです。
遠くにサンジョルジュ城も見えますね。
こちらの広場は「サンペードロアルカンタラジャルディーン」という舌を噛みそうな名前の広場です。
サングリアの屋台も出てみんなのんびりと幸せそう〜♪
私も何だか小腹が空いて来ましたので、昨年来た時に見つけて気になっていたお店に遅いお昼を食べに寄る事にしました。
アパート迄の帰り道からそんなに離れないで行けるはずです。
有りました!
入り口の奥に見えますか?小さな樽があるでしょう?あれが椅子なんですよ♪
歩き回って疲れたのでまずはピール。
でもこのお店、ポートワインの専門店なんです。
壁にはズラリと在庫のコレクションが並び、天井には空き瓶が、、。
色々なポートワインを味わえるんです。
私も10年ものを少しだけいただきました。
そしてこのお店の特筆すべき美味がこちら。
チョリソーです。
そもそもこのチョリソーはリスボンではどこのスーパーでも売っています。
豚の粗挽き感とニンニクの風味、そしてスモークの香りが美味しいソーセージなんですが、それを写真のように切れ目を沢山入れて、特殊な器に載せ、ブランデー等のお酒を使ってお皿の上で焼くのです。
この時につく焦げ目がまたなんとも香ばしく、結構塩気も効いているのでお酒にぴったり。
わたしもこれをぺろりといただきました。
このチョリソーを焼く特殊なお皿、昨年探したのですが手に入らず、、、。是非今回は買って帰らねば!
https://www.facebook.com/tabuasportowinetavern/
そしていい気分でまた歩いてアパートに戻り、、、のつもりが楽しくてアパートの前は素通り。
楽しくて楽しくて町歩きが止められません。
東京ではタクシーばっかり乗っているへなちょこな私がここではトラムにも乗らず(一度も乗った事が有りません。
いつも待っている人が沢山居て↑ 歩く方が早いっと思ってしまうので)リスボンのデコボコ石畳の悪路を歩き倒します!
ああ気持ちいい!
テージョ川には大型客船も泊まっています。ああいった船からも観光客が大量に街に繰り出して来ているのですね。
さて、そろそろ戻って今夜出かける支度でもしなければ、、、。
ということで街中に沢山有るファドの看板を意識しつつ
アパートに戻って来ました。
続きはまた次回!
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55)2016リスボン修行の旅 1 「Preparar para a vida」2016 Lisboa
55)
Bom Dia! こんにちは
Eu fui a Lisboa para o meu estudo.
Estudei linguagem e fado em Lisboa por 2 semanas.
Era muito curto.
Mas todos esses tempos eram momentos tão especiais.
Eu escrevo aqui para minha memória.
ご報告が遅くなりましたが、3月22日から2種間程リスボンに行って来ました!
昨年の滞在ではレコーディングが主な目的でしたが、今回の目的は2つ。
語学研修とファド研修。
「研修」なんて書くと新入社員みたいですが、気分だけは私も若いフレッシュマンに負けません。
やる気満々で乗り込みました。
二週間という短い時間でしたが中身はぎっしり!良い事も悪い事もとりまぜて沢山の体験をしてきました。
波瀾万丈のこの研修旅行、
何回かに分けてここで振り返ろうと思います。
さて、今回は羽田発ルフトハンザ、ミュンヘン乗り換えリスボン着は夜10時というフライトでした。
世界には色々な航空会社がありますが、ルフトハンザは私の経験から、信頼してもいいと判断した数少ない航空会社の一つです。
先進国の会社といっても酷いサービスの航空会社は沢山有りますからね。
3回も某航空会社にパリに置き去りにされた経験を持つ私の目は厳しいのです。
今回はシーズン的にエコノミーとあまり金額の差が無かったのでプレミアムエコノミーにしてみました。
テレビ画面はタッチパネル式になっていました。
そのルフトハンザでミュンヘン乗り換え、これは私が考えるリスボン行きルートのベストです。
同じルフトハンザでもフランクフルト乗り換えはターミナルが広く、乗り継ぎ時間が短いフライトですと結構ドキドキさせられます。
日本からの到着が遅れた時等は心臓がバクバクする程ターミナルの中を走らなければなりません。
その点ミュンヘンはいいです。
ターミナルが小さいので移動の時間も短くて済みます。
乗り継ぎ時間が1時間くらいしか無いのに到着も遅れた!しかもイミグレーションに長蛇の列!!!なんていう時もまああまり心配はいりません。(勿論、自分の便のボーディングタイムが迫っている時は係の人に申告しましょう!)
ドイツの空港はどこもいつも自動車が展示してありますね。
そのミュンヘンで乗り換え,無事にリスボンに着いた私は迎えに来てくれる約束のドライバーに電話をしました。到着時間が夜遅かったので、あらかじめ送迎を予約していたのです。
すぐ目の前にみえるタクシー乗り場には長い列が出来ていましたから予約して正解でした。
さて、迎えに来てくれたドライバーさんと向かったのは今回滞在するアパート。
場所はアルファマの丘の上です。
窓からはテージョ川が見おろせる良い場所でした。
朝明るくなったらこんな景色が目の前に!
部屋の中には一通りの生活道具が揃っています。
しかしアパートなので毎日のベッドメイキングなどはありません。
タオルも取り替えてくれません。
トイレットペーパーも補充してくれません。
歯ブラシは勿論有りませんし、シャンプーも1回分の紙パックがペロッと置いてあるだけです。
おまけに部屋の洗濯機が壊れているとの事で、洗濯は手洗いしなければなりません。
でも、そんな不自由なんてどうにでもなります。
ホテルよりもずっと自由なこの空間。
ここが私のこれからのホームベースです。
以下にアパートの備品等をあげてみます
フライヤー、トースター、調味料等
カトラリー
ナイフ等調理器具
何故か電池もサービス?
食洗機は巨大でした。使わなかったけど、、、。
鍋、フライパンだけでなく保存容器まで!
冷蔵庫の冷凍室は余裕の3部屋。
さあ、この部屋でこれから2週間生活する為の準備が必要です。
翌朝私は歩いて5分のスーパーマーケットへ向かいました。
アパートから近いこのス―パー「ピンゴドース」リスボンの旧市街に何カ所か有るようです。
私はここと、ロシオ駅のそばの店の二ヶ所によく行きました。
坂の多いリスボンらしい風景
店のエレベーター(ガラスの部分)が坂の上に行く手段として使われています。
このビルの上は展望台のようになっていてなかなかの眺望でした。
テージョ川と4月25日橋が見えます
さて、スーパーの中です。
野菜や魚は全部量り売り。1キロ幾らで売っています。安いっ!
さすが魚好きのポルトガル。
肉売り場よりもずっと立派な鮮魚コーナー。
そして出ました!「バカリャウ」の山!
ポルトガル人はこの干した鱈、バカリャウが大好き。
何処のレストランに行っても一番のお勧めを聞くと「バカリャウ」との答えが返って来ます。
彼らはこれを水で戻してから、煮たり揚げたりほぐして混ぜたりありとあらゆる方法で調理して食べます。
そしてとても美味しいです。
とは言え、私は料理研究に来た訳でもないので、とりあえず自分に必要な日用品を買って帰りました。
台所洗剤も150円くらいでしょうか、、。
どっしりとした大きいパン。100円くらいです。
そして忘れちゃいけないトイレットペーパー!笑
さあ、これから2週間これで準備はオッケー!
続きは次回に!
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54)歌手として
54)
今回は音楽のお話です。
私の歌手としての宣材(宣伝用資料)には「ジャンルレスで歌い続けてきた渡辺エマ」という一文があります。
知人の女性プロデューサーが考えてくれた表現で、とても私に合っているなと気に入ってずっと使わせてもらっています。
ではジャンルレスな歌手って何?
渡辺エマという歌手はファドを歌っているんでしょ?
ファドっていうのは一つのジャンルじゃないの?
と突っ込みが入る気がしますが。。
「ジャンルレス」この言葉は今の私にはとても重要なんです。
小学生の頃の私は、流行の歌謡曲は勿論いろいろ聞きましたが、どちらかというと賛美歌のようなクラシック系の壮大な雰囲気の曲が好きでした。
なかでもベートーベンの「第九」(喜びの歌)はあの奮い立つようなメロディが大好きで、でも普段大声で歌を歌う場所なんてありませんから、せいぜい学校の音楽の時間に音楽室で張り切って歌う程度でした。
大きな声で歌いたいなあ〜〜〜
そしてやっとチャンスはやってきました。
小学校6年の修学旅行で東京から日光行きの電車に乗った時の事です。
長時間あの「ガタンガタン、ゴトンゴトン」という電車の音の中に居る時に「これはチャンスだ!」と思い、電車の窓から顔を出して外に向かって思いっきり大きな声で「第九」を熱唱しました。(危ないから真似はしないで下さい)
意味もわからないドイツ語で、窓から外に向かって熱唱する私の背中をクラスメイトはどん引きで見ていたかもしれません。
いや、絶対どん引きしていたでしょう。
でも私は車窓に流れ行く田園風景にみとれながら思い切り大きな声で
「♪フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン トーテル アウス エリーズィウム〜〜〜♪」と、この上も無い快感に浸って歌いまくりました。
気持ちよかったーーー!
だからこの修学旅行の一番の思い出はもちろん「第九」です。笑
とにかく歌う事が大好きっていう子供だったわけです。
その後はロックの洗礼を受け、その音楽の格好良さも勿論ですが、ロックという音楽の周辺の文化そのものがもう強烈に魅力的で夢中になりました。
自由!
この一言につきますね。
人種とか年齢とかはロックの世界では意味をなしません。
もともとお互いをファーストネームで呼び合う国の音楽です。
先生だろうと先輩だろうと「ジョン」とか「リチャード」とか呼んでいいんです!
誰かが誰かに偉そうになんてしません。
私は自分が偉そうにするのも、偉そうにされるのも大嫌いなんです。
そして好きな服装をしていいんです。
ファッションで自分を表現していいんです。
皆が同じである事が美徳のような日本に生きる私には夢のような自由な世界!
型通りの生き方をしなくてもいいんです。
それを理解しない大人や教師はもはや外の世界の人。
「堅苦しいダサイ人」です。
だからロック(音楽)を好きだというだけで、もう同じ世界の価値観を持った仲間!
友達が一杯できました。
家と学校ぐらいしか世界を知らなかった私には、ロック(音楽)の世界はとてつもなく広く自由な大人の世界への入り口にも感じられました。
そして思い切り若さをぶつけるようなロックの名曲の数々に、自分もまた若さをぶつけて、聞いたり歌ったり踊ったり、音楽を通して青春を楽しみました。
そのうちにテレビのCMの音楽を歌わせていただけるようになって、一気に私の音楽範囲も広がりました。
CM歌手は声の仕事人です
「セクシーなソウルシンガーみたいに」とか
「演歌っぽく」とか
「オペラふうに」「沖縄風に」
なんていうふうにその広告のコンセプトに沿ったイメージで注文されて歌を歌います。
なかには、
「幼児向けの歌い方を」とか
「お風呂で眠っちゃいそうな気持ちのいい感じ」とか
おもしろい注文もありましたが、プロデューサーやクライアントさんから「オッケーです!」との声をいただいた時の充実感はとても気分のいいものです。
CMの仕事のおかげでいろいろな歌い方に挑戦して、今迄自分が歌って来たロック系の音楽以外にも興味がわいて、またそれが勉強になりました。
例えば邦楽。
今迄古くさいと思っていた音楽も、CMで狂言っぽい歌を歌った時に興味を持って、実際に体験してみたり。
京都で狂言を教えて下さった先生はチェコの人でした!
外国人の先生の側から噛み砕いたからこそ、素人の私にも垣根が低く、判り易い狂言でした。
日本の古い伝統と格式の、きっととっても閉鎖的な古典芸能の世界に、ヨーロッパ人が単身乗りこんで芸を習得し、教える迄になるというのはどんなに大変な事か!
単身リスボンに乗り込んで、ファドというとっても狭い社会の音楽を歌っている私には激しく共感出来る先生の人生です。
先生を見ていると勇気が湧きます。
行動さえ起こせば世界は広がりますね!
また、海外にしばしば旅をするようになるとそれぞれの国の伝統的な音楽にも触れ、それも勉強になりました。
イタリア、スペイン、ギリシャ、トルコ、チュニジア、フィリピン、インドネシア、中国、フランス、イギリス、行った先々で地元の音楽を聴いたりCDを買い集めたりしたことも歌手としての自分の財産になっています。
広い世界には本当に色々な種類の音楽が有るんですね!
そして色々な音楽に触れていくうちに、判ったことが有ります。
どんなに未知の音楽でも、その音楽のルールとか理屈とかを全く知らずに聴いても、「これいいな!」と思ったり「なんかイマイチ」と思ったりするのです。
それはやはり、演奏の上手い下手によるものです。
プレイヤーにも歌手にも技能は重要だということです。
レストランのシェフも大工さんも、みんな同じですね。
或る時、イタリアの古代(起源3世紀)から残る野外劇場でオペラを観ていたときの事です。
その時の演目は「カルメン」でした。
「カルメン」は大好きな演目で、その野外劇場で「カルメン」を観るのもその時でもう3回目くらいだったのですが、この時いつもと違う忘れられない歌に出会いました。
「カルメン」の主な登場人物は4人。
カルメン、ドンホセ、ミカエラ、エスカミーリョです。
あらすじを簡単に纏めるとこうなります。
『舞台はスペインアンダルシア地方セビーリャ
カルメンというジプシーの女が、ドンホセという兵士を好きになって誘惑する。
ドンホセにはミカエラという許嫁がいたがすっかりカルメンに夢中になってしまう。
気まぐれなカルメンはすぐにドンホセに飽きると闘牛士エスカミーリョに乗り換える。
カルメンに冷たくされたドンホセはカルメンを殺してしまう。』
という、なんだかストーカーチックなお話です。
さて、このオペラの第三幕の中程に清純な娘ミカエラが独唱するアリア「なんの恐れる事がありましょう」というとっても綺麗な曲があります。
そしてこの時のミカエラ役の歌手の歌ったこの歌がとんでもなく良かったのです。
もう何度もこの場所で「カルメン」を観ている私ですからこの曲も何度も聴いています。
しかし、この年のミカエラは全く違った!
もう理屈では何も説明がつかないのですが、本当に素晴らしい歌だったのです。
歌の中盤から、彼女の歌がどんどん観客を引き込んでいくのが目に見えるようにわかりました。
グイグイ心を鷲掴みにされ、彼女の声がその場の1万6千人の観客を支配していくのがわかります。
全員が感動しているのが私に伝わって来ます。
あんな空気は初めてです。
フランス語の歌詞の意味はいちいち手元の解説を読まないと判らないような外国人の私にも、「今、何かすごい歌を聴いているんだ」という事がはっきりとわかりました。
そして、彼女の歌が終わると鳴り止まない拍手が、、、何分続いただろう、、、!
あのような経験は後にも先にもあれっきりです。
鳥肌がたちました。
世界中からやってきた1万6千の聴衆が一人の女性の歌声の前にひれ伏したのです。
完全に主役のカルメンを喰ってしまったミカエルでした。
(※写真は全てその時より後に行った時のものです。)
この経験から私は歌手として、音楽家として、「良い物はいい」というレベルを目指す事が一番大切だと学びました。
例えばジャズが好きな人でも演歌しか聴かない人でも、あのミカエラの歌には心を打たれると思うのです。
歌手として何かを歌う時は、ジャンルに拘る事無く、理屈に頼る事無く、聴く人全てをその声だけで感動させるレベルを目指す。
無条件な感動
それを彼女から教わりました。
なんともシンプルですが、私にはとても高いハードルです。
でも、一度しかない人生。
自分からハードルを下げて、後から「ああ、あの時チャレンジすれば良かった」って後悔するのは嫌です。
挑戦有るのみ!
その為に大切な事は、歌手としてはあまりにも当たり前ですが「きちんと音程を保つ」とか「正しい発声で歌う」とか、、、まさに「基本」。
そしてそれを実現するのは「練習」なんですね。
もう今は電車の窓から顔は出せませんから、家やスタジオでひたすら練習です!
好きな事の練習なら苦になりませんよね♪
最近でも、気がついたら9時間歌っていたなんてことがあります。
そういった事から「ジャンルレスで歌い続けて来た渡辺エマ」という言葉は私を表す言葉として本当に光栄にも思います。
これからもずっと自分の信条として大切にしたい言葉だなと思っています。
今、私はポルトガルのファドに自分の全てをかたむけて歌わせていただいているのですが、基本的な部分は今迄と何も変わりません。
歌手としての自分の仕事で、聴く人に喜んでいただく、感動していただく、リラックスしていただく。
それは私の喜びです!
遠い昔に修学旅行の電車の窓から顔を出して「第九」を熱唱していたあの頃の自分が今の私を見たら喜んでくれるように、これからも丁寧に音楽と向き合っていきたいと思います。
☆次回4月17日のファドナイトはおかげ様で満席になりました。ただいまキャンセル待ちにてご案内させていただいています。もしよろしかったらお店にお電話下さい。
また近々次のライブのご案内もさせていただく予定でいます。
ご都合が宜しければ是非一度お越し下さい。
『FADO Night at Pesca Bianca 』
2016年4月17日 日曜日 pm6:00~
京王井の頭線「駒場東大前」西口徒歩3分
〒153-0041 東京都目黒区駒場2-14-1
於「ペスカ ビアンカ」
¥5500(コースディナー、ライブチャージ込み)ドリ
ご予約 Tel 03-5453-3161
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53)ファドと薔薇と雨の夜 Noite de rosas e chuva e Fado
53)昨夜のファドナイト,雨にもかかわらず大勢のお客様にお越しいただき無事終了しました。お店のガラスが曇るほど熱気でムンムンのライブとなりました
Muitos clientes veio ao nosso concerto de fado.
O restaurante decorado com muitas flores e velas por meu amigo.
Foi um dos mais belos Noite de Fado, em Tóquio.
会場デコレーションを担当してくれたLa Fraiseの黒部さんが、
テージョ川の波打つ様子とリスボンの街の起伏を薔薇の花弁で、
移ろいゆく人の心と人生のドラマをキャンドルの揺れ動く灯で、
それぞれ表現して私達のファドに添えてくれました。
この日に最高の状態で咲くように準備された薔薇の花弁達は気高く誇らしげに香りを放ち、
外で降りしきる雨つぶまでもが私達のファドを彩ってくれているようでした。
リハーサル中も店内に漂う甘い薔薇とキャンドルの香りに夢心地となりました。
あんなエレガントな気分でリハーサルをしたのは初めてです!
リハーサルの様子です。
レストランのシェフも鱈とじゃがいものお料理に挑戦してポルトガル味を加えて下さいました。
そして私達も心を込めて、愛を込めて、ファドをお届けしました。
お客様、お店、黒部さん、そして私達。
これらの人々がみんなで作り上げたファドの一夜でした。
心に残る良い夜でした。
本当にありがとうございます!
終演後は女性のお客様みなさんに薔薇の花びらをお持ち帰りいただきました。
薔薇風呂にしたり、それぞれお楽しみいただけたようです。
お客様がメールで薔薇風呂の写真を送ってくださいました。
私は水を張ったボウルに花弁とキャンドルを浮かべて楽しみました。
私達のファドをこんなにも美しく彩ってくれた薔薇たちにも感謝です♡
さて、次回4月17日のファドナイトももう半分以上のご予約をいただいているとお店の方からお聞きしました。皆様のご期待に添えるように、次回もさらに頑張ります♬
ご予約、お問い合わせはこちらまでお願い致します。
↓↓
ペスカビアンカ
☎03-5453-3161
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